ガンマ線検出器の開発

 東日本大震災による福島第一原発の事故により、東日本全域に渡って放射能セシウムを主とする多量の放射性物質が飛散しました。効率的に除染するためには、局所的に放射能レベルの高い場所、いわゆるホットスポットをガンマ線の到来方向が分かる検出器により事前に把握しておくことが重要です。当グループでは、宇宙ガンマ線観測の技術を応用して、東大、北里大、仙台高専、KEKなどと共同で、高感度かつ安価で普及品として量産できる新しい放射線イメージング装置「γI(ガンマアイ)」を開発・製品化しました(上図)。全方向を高感度に撮像することができます。以下は、動画の撮影デモンストレーションです。

この技術を応用して、原発敷地内のような高線量場中で動作するガンマ線カメラ、放射線治療等を行う核医学施設での放射線モニター、原木しいたけ栽培に用いるホダ木に含まれる微量放射能測定器の開発などを行ってきました。以下左の動画は放射線治療等を行う核医学施設での放射線モニターのデモンストレーション(英語;翻訳機能あり)です。

さらに、新コンセプトのシンチレーションファイバーを用いたガンマ線カメラ、SOI半導体素子を用いたガンマ線カメラなど、医療・原子力・農業・宇宙観測分野への応用を目指して開発を進めています。

2020年10月02日